心のバランスが乱れては…
気の長い人、気の短い短気な人がいるが、どちらが良いか悪いかは別にしても短気な人は頭にカッカしたり、興奮したり、心のバランスが乱れて損する場合が多いという人もいるが…。
戦国の世、武蔵と小次郎の決闘。なぜ小次郎は「つばめ返し」という秘剣を持ちながら敗れたのか。武蔵は小次郎が自分よりはるかに強いと知っていた。反面、かなり気が短く短気だとも知っていた。そこで約束の時間に遅刻した。小次郎はカッカして武蔵を待つ。船に乗って悠々と現れた武蔵を目がけて、頭にきた小次郎は刀の鞘を投げ捨てて向かって走る。それを見た武蔵は「小次郎敗れたり」と叫んだ。小次郎の怒りはさらに爆発。完全に心のバランスが乱れた小次郎は、武蔵に一撃で倒された。武蔵の小次郎の性格を見抜いた勝利であった。
いつの世も、常に冷静にとわかっていても、時と場合によっては心のバランスも乱れることもあるが、なかなかむずかしい。(平成三十一年四月七日)