武田信玄は、戦が終わると必ず部下達を集めて、「今日の戦ぶりはどうだったか」と勝敗の理を問いただすのが常だった。部下達がそれぞれ戦い方についての判断や反省を語るのを聞きながら、自分の考え、判断、経験に基づき、納得できる時は称賛し、反対の時は、誤っていた部分を指摘し、戒めた。
こうした話し合いをすることを習慣としていたため、部下達は一戦ごとに戦功者となり兵法に熟達し、武田軍は益々信頼関係が深まった。
この信頼関係があったからこそ信玄は「人は城、人は石垣、人は堀」という有名な言葉を残している。
今の世も、リーダーたる人は自らの修養につとめると同時に、部下達にもそういう機会をつくり、共に心身を鍛えるということが、組織の維持、発展につながるのではないだろうか。
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