戦国新報
 
 
平成6年 後期
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地域の風を読みとる情報収集
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 信長は若いころから情報を重視していた。よく城下町をほっつき歩いて、地域の人達は今何を望んでいるのかということに耳を傾けた。
 そして家臣達とも、今何に一番力をいれたらいいのかを思案していたようだ。 信長の右腕と左腕として活躍するのが豊臣秀吉と明智光秀である。二人とも諸国を転々としてきた、いわば流れ者だったが、その情報力は他の家臣達よりすぐれていた。
 秀吉は農民の子で、小さい時から行商人のような苦労をしていた。そのため民衆が求めていることに対する情報に明るかった。
 また、光秀は当時の各大名の情報に詳しかった。城の位置や兵力、城主の性格、ごたごたが起こっていないかなどである。
 大名階級の情報と民衆の情報。この二つの情報をもとに、信長は天下統一のビジョンをもって未来に挑戦したのではないだろうか。
【文:高田 金道】