平成5年
後期
戦は五分の勝ちで上とし、七分を中、
十を下とする
武田信玄は自分の相続人について「六、七分の能力があればいい、残りは家臣が補ってくれる」と勝頼をいましめたという。また家臣が「なぜ完全勝利が下なのですか」と訪ねたとき、「五分勝てば、もっと勝たなければとその分励む。七分勝つと、これでいいと思い気をゆるめるし、努力しなくなる。また、完全勝利すると、勝った勝ったとおごりが生じる。人は常に努力と知恵が必要だ。それには五分の勝ちでとどめ、常に不断の努力を続けることが大切なのだ」家臣達はなるほどと感心した。
【文:高田 金道】