戦国新報
 
 
平成3年 後期
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言うことも大事だが、人の話を聞くことがそれ以上に大事信長の秘書森蘭丸の忠勤
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 自分に忠義をつくしてくれる部下がかわいいのは、いうまでもない。しかしやたらにペコペコしたり、お世辞をつかうばかりでは、能がなさすぎる。上役が、何を望み、また何を考えているのかを察するだけの器量がなくては秘書は勤まらない。
 気難しい信長の小姓として名高い森蘭丸は、秘書として日頃から各武将達をよく見ていた。特に明智光秀のことは快く思っていなかった。光秀が信長に恨みをいだいていると思わせる数々の事例を森蘭丸は目のあたりにしてきた。ある朝、光秀の食事の様子は異常と言うほかはなかった。考え事をするあまり口に入れた飯をもかまず、箸を落としてもしばらくは気づかぬ有様であった。森蘭丸はすぐさま信長に、あの様子は逆心をいだいての挙動に違いないと自分に光秀を討たせるよう願い出た。しかし十六歳の森蘭丸の警告に信長は耳を貸さなかった。やがてその二年後本能寺の変が起こるのである。
 我が社もお客様の話を良く聞き、そしてその考え方をかたちにすることが、お客様への信頼の第一と考えております。
【文:高田 金道】