戦国新報
 
 

平成27年 後期
【 H27.8.9】

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三つの涙

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 甲子園大会も始まり、勝利を得た選手は「うれしい涙」を流し、負けた選手は「悔しい涙」を流して思い出を残す。死に物狂いの練習に耐えた勝敗の涙は、社会人になった時に必ず役に立つと思う。

 戦国の世、秀吉、中国地方で毛利方と戦いの最中、上司信長が本能寺で部下の光秀に倒されたという情報を聞いて「悲しい涙」を流して「わめいて」いた。その時、官兵衛がそばにきて「殿、今がチャンスです。泣いている暇はない」と秀吉に「ゲキ」を飛ばした。そして「中国大返し」という予想もつかない早業で、光秀を山崎の合戦で撃ち破った。

  いつの世も、「くやしい涙」も努力次第で「うれしい涙」になり、「うれしい涙」もうぬぼれや油断によって「悔しい涙」に変わる場合もある。だが、なかなかむずかしい。(平成二十七年八月九日)

【文:高田 金道】