秀吉が藤吉郎と呼ばれていた頃の話。ある冬の寒い朝、草履を履いた信長は「サル、お前わしの草履をゴザのようにして尻で座っていたのか」と声を張り上げて怒った。藤吉郎は「懐に入れて暖めて待っておりました」と釈明した。
「そうかサル、おまえそこまでわしのことを思い励むのか」と感動した信長はそれからは今まで以上に目をかけかわいがり頼りにした。
信長の草履取りの仕事に生きがいを感じ、日本一の草履取りを目指して信長のために仕えようとする藤吉郎の「まごころ」とそしてちょっとした「工夫と知恵」が信長を感動させたのである。
藤吉郎のこの行為は今の世の中、簡単なようでしかし軽々しくマネのできるものではないと思う。上司のためにどうすれば役に立つことができるのか、工夫と知恵を出してがんばることが大事なような気がするが、なかなかむずかしい。 |