戦国新報
 
 
平成20年 後期
【 H20.9.21】
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良い酒の飲み方
すすむ


酒の席でくだらない話に花を咲かせて大いに盛り上がる。だが、くだらない話の中にもちょっとした仕事のヒントをもらう場合もある。
戦国の世、関ヶ原合戦前夜、山内一豊は堀尾忠と酒を飲みながらくだらない話の中で、「あなたは徳川、豊臣どちらの味方をするのか」と尋ねた。堀尾氏は「俺は秀吉の家来だが三成といざこざがあったため、この度は、国、城、命まで全てを家康殿にささげるつもりで戦いに挑む」と答えた。
一豊はこの話に感動し、次の日、家康の本陣での会議中に多くの武将達の前でゆうべ堀尾氏から聞いた話をそっくりマネして、家康に進言した。家康はこの話に大いに感動して涙を流して喜んだ。また、秀吉の家来であった各武将達も感動し、家康に味方した。合戦は家康軍の大勝利に終わった。
一豊は堀尾氏との酒の席での話からよく学び、うまく利用することによって、土佐二十四万石の大名にまで出世した。
酒は飲むものであって飲まれるものではない。楽しい酒を飲むことによって、頭の回転もよくなり、お互い良く飲み、よく学び、よく友情を深めて、明日への活力につなげることが大事だと思うが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】