戦国新報
 
 
平成19年 後期
【 H19.10.7】
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苦労と経験
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  「かわいい子には旅をさせろ」ということわざがあるが、世間の事がわからない子には、旅をさせて他人のメシを食べさせて苦労することによって、いろいろなことを学ぶことができると思う。その経験を重ねることによって一回りも二回りも大きく成長し、自信につながる。
 戦国の世、名家に生まれた「お坊ちゃん」武将は、育ちがいいせいか他人の話に耳を傾けようとしない。あまり努力もしない。苦労もしていないし修羅場をくぐりぬけることもないため、ちょっとの障害で壁にぶつかると耐えられない。また精神力も鍛えられていないため、戦の時四方八方から攻撃されるとすぐに逃げてしまう。と信玄は部下達に言った。
 いつの世も、苦労した人、いろいろな経験をした人は壁にぶつかっても笑顔で、自分の苦労を他人に見せることはなく、うまくくぐり抜ける。苦労や経験のない人は、壁に当たるとすぐに顔に表したり、態度や行動に現れたりして失敗することが多いような気がするが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】