戦国新報
 
 
平成14年 後期
【 H14.7.14
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先見の明
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 新しい事を改革しようとすると必ず不安がつきまとう。不況だから現状維持でいいとの考え方でやるのがいいのか?新しいものは問題が起こると困るから現状のやり方が無難なのか?なかなか今の時代では改革は難しい。しかし前例がないからと足踏みしているよりも、それがお客様にとってより良いものであるならば、不安を乗り越えても実行することで、新しい道が開けてくるような気がする。
 戦国の世、秀吉はいろいろな仕事を上司に持っていくと、前例がないからと言ってすぐに却下された。墨俣城の築城にしても他の上司達が何回も失敗しているのを見て、他の方法を提案したのだが、やはり前例がないと言われ却下される。ところが信長だけは別だった。秀吉の意見をよく聞き、前例にないからこそおもしろい発想だと言い、秀吉に築城をまかせたのである。それが世に言う「墨俣一夜城」である。
 このように部下の先見性を見抜く上司の先見性も必要なことではないだろうか…。
 今の不況の世も、無難な道を進むとしたら現状維持が一番…。だがそれでは不況を乗り越えることは難しい。やはり人に喜ばれる発想で、新しい事にチャレンジすることが大事なような気がする。新しいことはハンディがつきものだが、それを乗り越えてこそ、本当の意味でお客様に喜ばれることができるような気がするが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】