戦国新報
 
 
平成6年 前期
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雑用と思われる一杯のお茶…
一杯のお茶で大出世した石田三成
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 今の時代はお茶くみを雑用と思う人が多い。「私は会社に仕事をしにきているのに、お茶くみばっかりさせられている」誰が、お客様にお茶を出すかでもめている。
 秀吉が鷹狩りに出た時、三成が小姓をしている寺に立ち寄った。茶を一服たててくれという秀吉に、三成が出てまず、大きな茶碗七、八分目にぬるい茶を差し出した。秀吉がおかわりを催促すると、今度は量は半分に満たない前よりも少し熱いお茶が出てきた。秀吉は試しにもう一度おかわりをした。すると今度は小さな茶碗に少しばかり、うんと熱い茶が出てきたのである。三成十五歳の頃の話である。
 三成の気働きのよさに秀吉は心を動かされ、三成を自分のそばに置いてみることにしたのである。三成の出世物語はここから始まった。
 お茶の一杯を出すことは、相手のことを思えば決して難しいことではない。つまらないプライドは捨てて、相手に喜んでもらえる行動を心がけたいものである。
【文:高田 金道】