戦国新報
 
 

平成25年 後期
【 H25.12.15】

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カゴを担ぐ粘り強さ

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 人は様々な生き方がある。「カゴに乗る人」その「カゴを担ぐ人」。カゴを担ぐ人の履く「わらじ」を作る人。カゴを担ぐ人は汗をかく。その汗を無駄にしないで、手柄を立てたらその手柄を自分の物にしないで他人に差し上げるという心がけが大事だと思うが…。

 戦国の世、家康六歳の時、今川義元の人質となった。ある日義元は家康の様子を部下に聞いた。部下は、毎日厳しくいじめ抜いておりますと答えた。すると義元は、それではダメだ。楽にさせておけ、そして「カゴ」に乗せてかわいがり誉め続けよと命じた。毎日厳しく教育していると腹が据わり粘り強い人物となり将来心配になるとも言った。

 しかし家康は義元の「カゴ」を担ぎ苦労を耐え抜いた。義元が桶狭間で信長に敗れるとすぐに岡崎城に入城して今川氏から自立した。

 いつの世も、何事もあきらめないで、いつでも「カゴを担ぐ」粘り強さを心がけることが大事だと思うがなかなかむずかしい。(平成二十五年十二月十五日)



【文:高田 金道】