戦国新報
 
 

平成22年 後期
【 H22.7.4】

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小さな石ころ

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 「歩のない将棋は負け将棋、世間歩がなきゃなりたたぬ」という歌詞がある。一番小さな駒だが将棋の世界では歩の使い方の上手下手でその人の実力がわかると言う。
 戦国の世、城の石垣の丈夫さによって天守閣の高さが違ってくる。城造りの名人と呼ばれた加藤清正曰く、石積みの技術は大きな石の使い方よりも「小さな石ころ」の使い方によって石垣の勾配が弓状になり最も地震に強い石垣ができると言った。世に言う「熊本城」である。
 清正は「小さな石ころ」を大きな石と石の間に入れ、石垣の強度を高めていくため、「小さな石ころ」の使い方に一番技術が必要だし能力も使うと言った。石ころは将棋で言うと歩である。

いつの世も歩は企業で言うと社員である。社員をうまく使いこなすことによって企業の繁栄につながるような気がする。歩の使い方も、石ころの使い方も、社員の使い方も同じような気がするがなかなかむずかしい。

【文:高田 金道】