戦国新報
 
 

平成22年 前期
【 H22.1.10】

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ちょっとの「きっかけ」
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 能代は東洋一の木材都市と、中学生の頃学校の先生から教わった。
 戦国の世、秀吉が天下を取り平和になった頃、秋田実季(さねすえ)は檜山城にて家督を継ぎ、秀吉の命により五万二千四百四十石の領主となった。その頃秀吉は京都伏見に城を築く事になり、実季は秀吉に忠誠心を表すために伏見城の和室に天然秋田杉を大量に献上した。天然秋田杉の美しさは秀吉を大いに喜ばせたばかりでなく、諸大名からも称賛され注文が殺到した。能代の天然秋田杉が、伏見城築城の「きっかけ」で有名になった。秀吉もまた信長との出会いの「きっかけ」で天下を取る事ができた。

 いつの世も、名を高めるためにはちょっとの「きっかけ」を作る事が大事だ。その「きっかけ」をつかむためには常日ごろの努力が最も必要だと思うのだが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】