戦国新報
 
 
平成14年 後期
【 H14.8.4
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腹を立てず、我慢強く
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 人には気が短くすぐ腹を立てる人と、温厚で気の長い人がいる。どっちが良いか悪いかは別にしても、一般に気の短い上司は部下の話しに耳を貸そうとしない傾向にあるようだ。また、先頭に立って俺について来いとばかりに、部下をグイグイ引っ張って行くタイプが多いとも言われる。それなりに良いところはたくさんあると思うが人の話しに耳を貸そうとしない分だけ、一歩間違えばとんでもない方向に進む場合もあるような気がする。
 武士の時代においては、決して短気をおこさないという心構えが大事だったようだ。上司が短気をおこしてしまうと迷惑をこうむるのは部下達である。そのいい例が赤穂浪士で有名な浅野内匠頭の「刃傷松の廊下」である。もうすこし我慢強い性格であれば、浅野家の家臣達も苦労することもなかっただろうし、吉良邸討ち入りもなかっただろう。
 秀吉曰く「トップたる者、よほどのことでないかぎり腹を立てるものではない。腹を立てることより人の話しに耳を貸すことが大事なことだし、我慢することも時には必要だ」
 今の世の中、短気は損気ということわざがあるが、できることなら「 腹を立てず」に毎日過ごしたいと思うがなかなか簡単にいかないし、むずかしいことだ。

【文:高田 金道】