戦国新報
 
 
平成14年 後期
【 H14.8.11
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ヘソクリ
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 景気のいい時は「ヘソクリ」したものだが、今のように景気が悪くなるとなかなかそうもいかない。「ヘソクリ」はいいことなのか、悪いことなのか、人それぞれいろんな考え方があって決められない。だが、「 ヘソクリ」によって楽しさが何倍にもなってあらわれる時もある。子供のため、家族のために「ヘソクリ」を差し出すことによって、家族のだんらんも楽しいものになる場合もある。
 戦国の世、妻の「ヘソクリ」によって一躍世に出るチャンスを作った人物もいた。よく考えてみると、旦那に隠れて金をよせることが「ヘソクリ」だが、はたしてこの妻は良妻か悪妻か?
 土佐二十四万石の大名となった山内一豊の妻の話しである。若いころ信長の馬揃えのデモンストレーションがあった。当時、一豊は貧乏で痩せた馬しかいない。どうしようかと悩んでいる時、妻が自分の「ヘソクリ」を差し出し、見事な名馬を買うことができたのである。その馬の見事さが信長の目にとまり、一豊は大いに出世したという。妻の「ヘソクリ」が世に出るチャンスを与えたのである。妻の「ヘソクリ」に助けられて出世したなさけない奴と思われがちだが、一家を支えるためには、やはり妻と一心同体でがんばることが大事なことで辛抱の甲斐があったというものである。
 今の世も、景気の良いときのように「ヘソクリ」はなかなかできないが、「ヘソクリ」という辛抱が大事なことで、チャンスをものにするためには「ヘソクリ」をためる心がけが大事なような気がするが、なかなかむずかしいことだ。

【文:高田 金道】