戦国新報
 
 
平成13年 後期
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リスクを乗り越え、気を利かす
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 相手に喜んでもらいたいと思い、気を利かせてやった時に、「喜ぶ人」もいるし「嫌がる人」もいると思う。気を利かせることは簡単なようで「リスク」を伴う場合もある。しかしリスクがあるからといってお客様に気を利かすことをしなかったら、その人間は後々気を利かせることができなくなってしまう。リスクを伴いながらも、お客様に喜んでもらいたいと思う気持ちが大事なような気がする。 戦国の世、信長に仕えた秀吉の最初の仕事は草履取りであった。ある冬の寒い朝、気を利かせて草履を自分の胸に入れ暖めて差し出した秀吉に、信長はよけいなことをするなと怒鳴った。秀吉にすれば考えに考え抜いた、気の利かせ方だった。信長も内心はなかなか気の利く奴だと思ったに違いない。怒られても秀吉は平気で楽天的に考え、いつもニコニコ笑顔を絶やさず、信長のためにリスクを乗り越えて一所懸命にがんばったのである。 反対に、気を利かせすぎて、信長に怒鳴られ悲観的になり、頭に来て謀反を起こしたのが光秀であった。 世の中いろいろな考え方の人がいるが、やはりリスクを伴いながらも気を利かせながら、笑顔を忘れず、楽天的に一所懸命にがんばることが大事なような気がするが、なかなかむずかしいことだ。
【文:高田 金道】