戦国新報
 
 
平成13年 前期
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同僚とのあいさつは当たり前
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 朝一番「おはようございます」のあいさつは今日も一日がんばらなくちゃという気分になり、仕事の始まりだ。帰る時は「お先に失礼します」と、今日も一日無事に終了したことの「けじめ」である。 外出する人に対しては「行ってらっしゃい」と、帰って来た人には「お帰りなさい」と声をかけてやる。するとなんとなく疲れが癒される。 同僚だから仕事さえしていれば「あいさつ」しようとしまいと関係ないじゃないか…という人もいると思う。性格にもよるものだろう。
 だがチームワークを組んで仕事をしている者同士、あいさつは当然の礼儀ではないかと思うのだが…。
 戦国の世、秀吉ほど朝から「ニコニコ」と愛想よく元気で「あいさつ」を徹底した武将はいない。ある時、他の武将達から「秀吉殿はなぜそんなに頭を下げてあいさつするのか」と尋ねられ、秀吉は「お主達は生まれながらの武将だ。自分は百姓上がり、頭を下げてもへる訳じゃない。笑顔とあいさつがなければお互いの信頼関係が生まれない。また部下達には声を掛けてやることによって仕事の能率も上がるだろう」と笑いながら答えた。
 秀吉のこの人柄と底抜けの明るさが天下統一への足掛かりとなったのではないだろうか。 今の世の中、不況で暗いイメージがあるが、暗いからこそ明るく笑顔であいさつをきちんと元気よく声がけすることが、職場のコミュニケーションの基本だと思うし、お客様に与える印象も良いのではないだろうか。元気よくあいさつできる人は業績も伸びるような気がする。当たり前のことで簡単なことのようだが、なかなかむずかいしいことだ。
【文:高田 金道】