戦国新報
 
 
平成13年 後期
【 H13.12.9】
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間違いと勘違い
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 仕事で間違いがあった時に、「自分は失敗しました」と言わず、「勘違いしました」という人が多い。失敗したと認めることは恥ずかしいことで、勘違いしましたという言い訳は恥ずかいことだと思っていないようだ。しかしお客様にしてみれば工事に失敗があったことは間違いない。失敗も勘違いも結局、間違ったことに変わりはない。
 思うに「失敗は成功のもと」ということわざもあるように、失敗したということを自分に訴え、充分反省をして二度とこのようなことがないように、がんばることが大事なような気がする。勘違いしたと言う人は反省する気持ちがないと思うし、失敗したと思える人は、必ずその原因を分析し反省して、次の仕事のプラスになっていくような気がする。 
 戦国の世、秀吉は戦では、失敗も勘違いもないという。敵と戦って負けたことには変わらない。勝負の世界だから負けは負けだ。勘違いと思ったところで負け戦が勝ち戦に変わるはずもない。素直な気持ちではっきりと失敗と言えるようになると次の戦いでは必ず成功するとも言った。秀吉はさらに、「言い訳する心を捨てないと何度も同じ失敗を繰り返す。失敗は恥ずかしいことではない。失敗を繰り返さないよう、その時の経験を生かして、反省して、さらに前向きに取り組んで欲しい」とも言った。
 今の世の中、会社の社員は皆、自分なりのプライドがある。プライドがあると、はっきり物を言わない傾向が多い。だから自分の失敗を勘違いと言い逃れてしまうような気がするが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】