戦国新報
 
 
平成13年 後期
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魅力
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 ある人に毎日一回お目にかかると、不思議と元気になったり、話がはずんだり、勇気が湧いてきたり、明るい気分になったりする。情報力があり話題が豊富で会うたびに感心するばかりだ。
 生まれながら身に付いたものとは言い切れないが、やはり数多く色々な人と出会い、あるいはいろいろな会合に顔を出したり、人と人とのつながりを大事にしているせいか、また、いろいろな場を数多く、くぐり抜けての当人の努力によって身に付いたのではないかと思うが…。
 戦国の世、毛利元就は三男、隆景にこう教えている。「情報力があり、話題が豊富でなければ領主にはなれないし、人に好かれなければ領主は務まらない」
 隆景は夜になると、城下に出て家臣の家々を回って歩き、人が集まって賑やかにしている家があると上機嫌でこれを誉めたたえた。人が集まることは話題が多く情報交換も豊富である。これと違い、友人もなく、人が集まらないのは自分の心が危険で、異常な状態であるからだと、部下達に言った。また多くの人と出会い、人と人とのつながりを大事にし、人の話に対しては「聞く耳」を持つことによって、人から好意を持たれる。そうした魅力ある人間を目指せとも言った。
 人とのつながりは今も昔も変わらないと思う。自分の欠点はなかなか気づかないものだが、欠点の改善に努めて、人に好かれる魅力ある人間になりたいものだが、相手あっての自分だから、なかなかむずかしいことだ。
【文:高田 金道】