戦国新報
 
 
平成12年 後期
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短気は損気
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 仕事をしていると誰でも、上司に注意されたり難題をもちかけられたりと、いろんな問題にぶつかる。時には頭にきて「カッ」となることもある。だが「カッ」となる事をこらえるのも仕事のうちだと思うのだが…。
 今のビジネス社会においても、もし、お客様とのやりとりで頭にきて「カッ」となり、口喧嘩にでもなると大変である。会社に大きな損害を与えることにもなりかねないと思うのだが…。
 徳川将軍も五代目あたりになると平和な時代になり、武家社会も気が緩んできた元禄の世。江戸城松の廊下で、浅野内匠頭と吉良上野介が職務のやりとりでいざかいになり、内匠頭が「カッ」となって上野介に切りつけた。松の廊下で刀を抜くことはご法度であり、内匠頭は一時の怒りのために、赤穂藩は取りつぶしとなってしまった。内匠頭、上野介どちらが悪いのか。しかし頭にきて「カッ」となり相手に手をあげるのは、今も昔も変わりなく、手をあげた方が悪いことになる。「カッ」ときても冷静に「我慢」し「こらえる」のも仕事だと思わなければ駄目なような気がする。
 人は興奮して激情的になっても十分間ぐらい我慢することによって、相手も自分も落ち着きを取り戻し案外すんなりとトラブルもなく収まるような気がするが、だが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】