戦国新報
 
 
平成12年 前期
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笑顔と魅力
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 明るく魅力のある人になりたい… 世の中には魅力ある人がいる。「あの人に会うと不思議と明るい気持ちになって元気がでるし、勇気もわいてくる」と言われる人がいる。こうした魅力というのは一朝一夕に身に付くものではないし、自然に身に付くものでもない。その人の努力によって形成されるのではないだろうか。
 またそうした人気のある人を冷ややかな目でみる人もいる。人気など必要ないと言って、人との出会いを積極的に求めようとしない。そういう人には、最後にはまったく人が寄ってこなくなる。人が寄ってこないということは、仕事の情報が入ってこないということになり、致命的なことにつながるようだ。
 戦国の世、中国地方の武将、毛利元就の三男、小早川隆景は、夜になると城下に出て家臣たちの屋敷の回りを歩いたという。人が集まってにぎやかな屋敷があると「上機嫌」でこれを褒め称えた。逆にいつもひっそりと静まり返っている屋敷があると「不機嫌」で眉をひそめ、後々「人に好かれない人間はだめだ。常に明るく笑い声のある家庭にしなければいけない」と家臣たちに言ったという。
 不況の世の中、常に明るく笑顔で、人のためにつくし、回りから好意をもたれる魅力ある人間を目指したいものである。そうすることによって人が回りに集まってくるような気がするが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】