戦国新報
 
 
平成12年 前期
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いつも笑顔で…
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 笑わせる、楽しませる、また笑える人は表情が非常に明るい。表情が明るいと人に安心感を与える。体の調子が悪い時でも、笑うと気分が良くなる。昔から「笑う門には福が来る」という諺もあるが、笑える、笑わせる、楽しませる人には何かと「徳」があるような気がする。また「笑いを呼ぶ人は、成功を呼ぶ」という人もいる。
 戦国の世、秀吉の家来に曽呂利新左衛門という人物がいた。新左衛門は秀吉の喜ぶ事は何でもやった。ある時、秀吉は「世の人達はわしを猿に似ていると噂しているが、本当に猿に似ておるか」と新左衛門に尋ねた。新左衛門は「殿が猿に似ているのではなく、猿が殿に似ているのでございます」と応えた。秀吉はたいそう喜んだという。新左衛門は「秀吉の太鼓持ち」とまで呼ばれ、秀吉の御咄衆(おはなししゅう)に抜擢された。
 いつの世も、良いこともあるが、逆に腹の立つことがもっと多いような気がする。だが、笑うことによって腹の立つこともスッキリ忘れることができる。いつも笑顔でおもしろいことにはよく笑い、楽しいことは大いに楽しみ、物事をプラス志向でがんばることで良い方向に進むような気がするが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】