戦国新報
 
 
平成12年 後期
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ネアカとネクラ
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 世の中は「ネアカ」タイプと「ネクラ」タイプとがいる。「ネアカ」とは明るく陽気な性格で、こういう人には自然と人が集まってくるような気がする。「ネクラ」タイプはイメージが暗く、人が近寄りがたい雰囲気がある。 戦国の世、なぜ明智光秀は三日天下で終わったのか。
 光秀は信長を本能寺で倒した後、他の武将達が弔い合戦をかけてくることを予想したが、反面安心もしていた。これまで光秀が面倒みてきた武将や信長から虐待を受けた武将達が必ず自分の元に駆けつけてくれるものと信じていた。だが現実は光秀の考えていたものとは全く違っていた。それは光秀の性格にあった。「ネクラ」タイプの光秀は、自分の才能を他人の前にひけらかし、取っ付きにくく冷血なところもあったため、人を引きつけることができなかった。反面「ネアカタイプ」の秀吉は、いさぎよい性格で勇気と行動の早さには、他の武将達も舌を巻いていた。また、面倒見がよく、他人に親しまれ、その陽気な性格には人望があった。その秀吉の元に武将達が続々と集まったのは当然の成り行きだった。
 光秀の例を見るまでもなく、常日頃、環境、立場に関係なく「ネアカ」にふるまい、一生懸命に努力することで良い結果が生まれるような気がするが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】