戦国新報
 
 
平成12年 後期
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「ツキ」をものにする…
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 人は同じ仕事をしていても「ツキ」のある人と「ツキ」のない人がいる。努力のしかたに問題があるのかわからないが、かなり違うような気がする。人とのつながりを大事にしているのか、人の面倒見がいいのかいろいろあると思うが、「ツキ」のある人はやはり努力の仕方が他人とは違うような気がする。「ツキ」のある人は勢いが違う。人は勢いのある人の元で働きたいと思うし、友人として付き合っていきたいと思うのだが…
 戦国の世、信長は天下を取る足掛かりとして美濃の国に城を作ろうと思い、始めに墨俣に城を作ることに決定した。だが部下の誰一人として成功しなかった。建築中に必ず敵に襲われ失敗の連続であった。信長は百姓上がりの秀吉にやらせることにした。秀吉は絶好のチャンス到来とみて、わずか三日で城を築くことに成功した。世に言う「墨俣一夜城」である。さすがの信長も驚き、秀吉の評価は今まで以上に上がり、他の武将達よりも信頼された。秀吉は戦いの時も「ツキが回ってきた、この戦いは勝ち」と戦いが終わっていないのに、勝利を宣言したり、苦しい戦いでも秀吉の思うように勝利するのであった。秀吉の部下達も、必ず我が殿に「ツキ」があると信じ、後々まで秀吉の強運を信じたようである。「ツキ」は天から与えられるものではない。自分で努力して、自分で切り開くものではないかと思う。
 いつの時代も、良い事があれば運が良かったと思うし、悪いことがあれば運が悪かったと思う。でも常日頃の努力しだいで必ず良い運がついてくるような気がするが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】