戦国新報
 
 
平成12年 後期
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「必ず…」
すすむ
 二十年前、体調を悪くして入退院のくりかえしだった。入院している頃は自分が落ち込んでいくのがよくわかった。友人からもいろいろ励まされたが、一番元気づけられたのが、お医者さんからの「大丈夫です。必ず治ります」という言葉だった。お医者さんからみれば、治療してみなければわからない体だろうが、絶対の自信を持ったその一言には、涙の出る思いがした。そしてその一言がいい薬のような気がした。おそらくほとんどの患者さんも、そういうお医者さんからの言葉を期待しているのではないだろうか。
 戦国の世、秀吉も病気になった時は、自分に「必ず治る」と言い聞かせて気力で治した例が多かった。
 仕事でも同じだが、「自分は必ずやりとげる」とか「必ず直す」とか自分に言い聞かせてがんばることが大事なような気がする。
 不況の世の中、「必ず」乗り越えるんだという意気込みを自分に言い聞かせて頑張ることで「必ず」良い方向に進むような気がするが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】