戦国新報
 
 
平成12年 後期
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現実をしっかり見つめる
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 最近いろいろな人達と話をする中で、よく話題になる話は「仕事だけが人生じゃないんだから」という言葉をよく聞く。仕事一筋というモーレツ人間タイプは今の時代では少ないような気がする。時代の「余裕」だろうか。喜ばしいことであるし、これからも益々増えていくような気がする。だが、月末になってそれぞれの成績が発表され、成績が悪いと出る言葉は「今月はツイていなかったなあ。来月は一生懸命がんばろう」と言う。なぜ成績が悪かったのか。ろくに反省も分析もしないで、ただがんばろうという人間が多いような気がする。
 戦国の世、信長は「勝つべき戦に負けたり、滅ぶはずのない家が滅ぶのを、人はみな天命だと言うが、その一番の原因は現実をおろそかにしているからだ」と手厳しく言った。
 不況の世の中、確かに人生において仕事だけがすべてという訳ではない。だからといって仕事をおろそかにしては駄目である。自分の価値実現のために現実をしっかり見つめることが大事なような気がするが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】