戦国新報
 
 
平成12年 後期
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聞き上手
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 夜の酒場を飲み歩き、そしていろいろな人たちと出会い、またいろんな話をする機会があるが…。 人の話を聞くにしても、ただ自分とは無関係の話だと聞き流す人と、自分のためになる話として聞くのとでは大きな違いがあるような気がする。
 人の話を聞くのが好きな人、聞き方が上手な人は、どんな話でも自分のためになる話として聞く。こんな人を「聞き上手」と言うし、また自分の反省や、教訓としても活かしているような気がする。
 戦国の世、天下を取った秀吉はある時、「諸国を回り民の苦しみや悩みを身近に感じて、それを国造りに役立てたい」と言った。それを聞いた側近達は「どんな暴れ者が殿下をおそうかもしれない、ご遠慮された方が」と言ったが、秀吉は不満げな顔で「そんなことを恐れてはならない。民の声を自ら聞き入れないようでは良い国造りはできない」と言った。その後国を回り、いろいろな領民の話を聞き、「刀狩り」や「検地」を行った。
 いつの世も仕事を進めていく過程で、やはり他人の話をよく聞いて周りをよく見て行動した方が、自分のために良い方向に進むような気がするが、なかなかむずかしいことだ。
【文:高田 金道】