戦国新報
 
 
平成11年 前期
もどる
人生の種まき…
すすむ
 人は、自分でまいた種を自分で育て、自分で刈り取っているような気がする。良い人生を送るためには、今、良い種をまくことであるような気がする。しかし困るのは、今まいているのが良い種なのか悪い種なのかわからないことである。成功の種は必ず苦しいときに芽生えているし、失敗の種は有頂天になっているときにまかれるような気がする。
 何事もよく気を引き締めてかからないと失敗を招く。強い者が倒れるのは大抵が油断からである。油断はうぬぼれている時や得意になっているとき、心の隙間から忍び込む。
 戦国の世で言えば、織田信長に倒された今川義元、明知光秀に倒された信長、そして秀吉に倒された光秀である。
 いつの世も、常に謙虚な姿勢でうぬぼれることなく、苦しい時も一生懸命努力して良い種をまくことで立派な苗が育つような気がする。
 最近の不況の世の中あまり良い話はないが、巷の噂に喜び、自分の良い種をまくことを忘れ、失敗の種ばかりまいていては自分のためにもならない。謙虚に一生懸命努力して良い仲間作りをしてがんばることで、この不況を乗り切ることができるような気がするが、なかなか現実はむずかしい。
【文:高田 金道】