戦国新報
 
 
平成10年 後期
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志と勇気
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 世の中、大不況で大転換期の中、さまざまな問題が地方にもあるような気がする。
 まもなく二十一世紀を迎えようとしているが、二十世紀終わりのこの不況、この時期こそビジョンを持って未来設計に挑戦することが、企業にも行政にも求められているような気がするし、時代をリードする新しい考え方のリーダーが求められているような気がする。
 戦国時代、戦いに明け暮れていた時代に、新しい時代を切り開いたリーダーが現れた。 まさにこの男、織田信長である。おそらく日本で始めて「地球が丸い」ことを信じた武将であったに違いない。最先端の鉄砲による戦い方、創造的なデザインで安土城を造った。新しいビジョンを世に問うリーダーは信長の他にいなかった。情熱と「判断力」と「決断力」を持って堅い板に力を込めてジワジワと穴を開けてゆくような実行力があったが、夢途中で倒れた。
 しかしその「志」は秀吉に受け継がれ、天下統一を果たしたのである。信長の出現がなければ、秀吉の天下統一はありえなかった。秀吉も謙虚な姿勢で実に多くのことを信長から学び、育てられた。
 不況の世の中、信長の「志」は我々に勇気を与えてくれる。経営者にとっても一番大切なものは、その「志」であり、勇気であるような気がするが、なかなかむずかしいことである。
【文:高田 金道】