苦労した経験は必ず身になる
「かわいい子には旅をさせよ」という諺があるが、旅をさせて世の中の「苦しみ」や「辛さ」を経験させなければ一人前の人間にはなれないと思う親心。できればかわいい息子に苦労させないで立派な人間に育てたいものだが、世の中そんなに甘くない。何事も苦労してそれが報われた時、大きな自信となり一回りも二回りも大きく成長すると思うが…。
戦国の世、生まれた時すでに自分の地位が決まっていた武将達のほとんどはあまり苦労をしていない。だから「人の心の痛み」をわかるはずもない。その点、農民上がりの秀吉は、信長に雇われ草履取りから足軽、やがては武将の地位まで苦労して這い上がってきたからこそ「人の心の痛み」をよくわかり、やがては天下を取ることができたと思う。秀吉の人間学は、「学歴よりも学力」「体格よりも体力」そして「人の心の痛み」をわからないようでは成長することができないと言う。
いつの世も、自分で苦労したことは忘れてはダメだ。常に初心を忘れず一所懸命に努力してこそ大きく成長すると思うが、なかなかむずかし。(令和三年四月十一日)