相手がどう受け止めるか
自分の思いばかり大切にして他人の考えを聞き入れない人がいる。「どうしてわかってくれないのか」と相手に腹を立てるが、腹を立てないようにただ「伝える」だけでなく「理解」してもらうように努力して伝えることが大切だと思うが…。
戦国の世、塩不足に困っていた信玄に、宿敵だった謙信が塩を送った話は有名だが、なぜ謙信はそんなことをしたのか。ひょっとしたら「もう戦いをやめよう」というメッセージだったのかもしれない。塩を送った後は両者は一度も戦っていない。口で思いを伝えなくても謙信は信玄という人物の器の大きさを知っていた。
いつの世も、自分の思いが強くても相手がそれを受け入れてくれないとムダな努力だ。どんな美味しい料理でもお腹がいっぱいの人に勧めても食べてくれないし「もう結構です」と機嫌を損ねると思うが、なかなかむずかしい。(令和二年六月二十八日)