油断すると足元をすくわれる
ウサギとカメの童話で、ウサギはカメに向かい、あんたはのろいから俺の方が早いと自慢した。カメはそれなら競争しようと訴えた。いざ走るとさすがウサギは予想通りスタートから早く安心してゴール直前で、まだまだ来ないなとちょっと昼寝を…。
目が覚めた時には、カメはとっくにゴールしていた。一歩一歩着実に歩き続けたカメの執念の勝利であった。逆にウサギは自信とうぬぼれと油断で敗北した。
戦国の世、戦でいくら能力と実力がある武将でも油断していると思わぬ失敗をすると官兵衛は武将達に伝えた。一番の良い例が桶狭間の戦いである。圧倒的に有利で勝利目前の義元。部下の意見も聞かず桶狭間にて勝ちムードで昼食する。その時、信長の奇襲攻撃を受けて敗れた。信長を見下した油断から生まれた義元の敗北であった。
いつの世も、油断大敵火がぼうぼうという言葉があるように、物事の失敗する原因は油断から生じる。油断は最も恐ろしい敵である。一歩一歩着実に気を引き締めて行動することが大事だと思うが、なかなかむずかしい。(令和二年十月四日)