時には「許す」ことも必要だが…
部下から親しまれる上司になるためには、時には失敗した部下を「許す」という心の広さを持つことが大切だという人もいるが。だが、許される失敗と許されない失敗もあるが…。
戦国の世、度量の広さによって多くの大名達から親しまれた秀吉に次のようなエピソードがある。関白になった秀吉は一羽の見事な鶴を飼っていた。ある日、鶴の小屋の番人がその大事な鶴を逃がしてしまった。いくら探しても見つからず、番人はこのままでは打ち首になると覚悟をした。ところが秀吉は「まあよい、日本国はわしの庭のようなものだ。どこに逃げてもわしの庭にいるから誰かが大切にかわいがってくれるだろう」と番人を「許した」のであった。秀吉の「おおらかさ」「心の広さ」があったからこそ、多くの有能な部下達に恵まれたと思う。
いつの世も、優しさがあってこそ強さがあり、心の広さがあってこそ人望を得られると思うが、なかなかむずかしい。(平成二十九年六月四日)