戦国新報
 
 
平成9年 前期
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チームワークと人のつながり
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 毎年今の時期になりますと、綱引き大会が多くなります。綱引きは仲間の中に一人、二人力持ちがいたとしても、みんなが一気に集中しないと勝てない競技です。一致団結のチームワークがその勝敗を左右します。 正月の三日に信長は隣の美濃の国を攻めるにあたって、武将達を前に、長い槍と短い槍ではどっちが戦いに強いかと聞いたところ、ほとんどの武将が短い槍だと答えた。ところが百姓あがりの秀吉は長い槍の方が有利だと言いはりました。みんなは百姓あがりの秀吉を馬鹿にした。そこで信長は「足軽五十人をおのおのに与えるから三日後に試合をしてみろ」と言った。
 短い槍の方は連日猛特訓でへとへとになった。一方秀吉の長い槍の方はというと、秀吉の妻の手料理で三日三晩飲み食い放題で、槍の訓練はほとんどしなかった。そして試合にのぞんだ。結果は圧倒的に、秀吉の長い槍軍団の勝利であった。その原因は、技術的には短い槍の方がすぐれていたが、やはり長い槍のチームワークとヤル気が勝負においては勝っていたということである。
 今のこの不況な時代もこのチームワークとヤル気、人と人とのつながりを大事にしてがんばることが、よい結果を得ることになると思うのだが、なかなかむずかしい。でも、がんばらなくちゃ。
【文:高田 金道】