戦国新報
 
 
平成9年 前期
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秀吉もうらやんだ毛利三兄弟
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 秀吉が天下統一を果たしたころの話である。「この世の中で一番うらやましい事は兄弟愛である」といって毛利元就の三人の兄弟をうらやんだ。「自分は天下統一を成し遂げたが、毛利のように将の器をもった息子を持つことができなかった」「もし自分にあのような息子がいれば、一人に天下を譲りあとの二人を東国、西国にそれぞれ配置しておきたいものだ」と嘆いたという。
 戦国時代は、家臣が主君を倒し、分家が本家を乗っ取る、兄弟の血の争いなど日常茶飯事だった。しかしこの毛利元就の息子達三人は、本家の兄である隆元を弟、元春、隆景が良くささえた。兄弟仲も良く性格的にも絶好の兄弟であった。元就の三本の矢の教えは末長く毛利家をささえることになったのである。
 今の不況な世も兄弟が力を合わせて努力することによって必ず良い知恵、良い発想が生まれるのではないだろうか。でも、なかなかむずかしいようである。
【文:高田 金道】