戦国新報
 
 
平成9年 前期
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戦国も今の世も発想力と
知恵のある者が求められる
すすむ
 バブル成長期と、バブル崩壊後の不況な今の世の中とでは、ビジネスマンにとってかなり違いが出てきた。バブル成長時代は真面目な人間が優秀とされた時代だったが、ここにきて知恵と発想力のある人間が必要とされている。
 戦国時代も秀吉が天下を取る前は、福島正則や加藤清正などの「武断派」が重用されたが、天下統一後は石田三成のような「文治派」が表面に出てきた。家康も同じで乱世は酒井忠次や井伊直政等の豪の者が重用されたが、豊臣家を破った後は、本多正信という「文治派」を登用している。
 今の世も「働きすぎだ」とか「働き蜂」とか言われ、これから週四十時間労働の時代に入るが、その反面モーレツ社員が求められている。モーレツ社員といっても昔のようにただガムシャラに猪武者のように働くのではなく、バイタリティあふれる発想力と知恵があり、そして元気いっぱい働く人が求められているような気がする。だが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】