石田三成との対決を控えて、家康は悩んでいた。攻めるべきか危険を回避するか。その時、家康の重臣、本多正信は「この好機は逃してはならない。まったく同じ好機は二度と訪れません」と明快に答えた。たとえうまく危険を回避して逃げられたとしても、それは一時的な満足でしかなく、好機が訪れた時は多少の危険があろうともその危険を乗り越えて行かない限り、天下を取ることはできない。現状のままでいいという考えでは、天下を取ることもなく終わってしまう。勇気を出して危険にチャレンジすることで自分の時代を作ることができるというのである。
今の時代も同じである。仕事にリスクはつきものである。企業はこのリスクを無視して金を投じる訳にはいかない。しかしリスクが大きいといって諦めてしまえばいいという訳でもない。たとえリスクが大きくても成功するチャンスがあるなら、はじめは赤字を覚悟してチャレンジすることも必要である。
不況な今の世の中、競争の激しい時代だからリスクを極端に嫌う人間もいる。しかしこんな時代だからこそ、大きなリスクを背負いチャレンジすることが大事なような気がする。だがなかなかむずかしい。
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