戦国新報
 
 
平成8年 前期
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歴史上最高のバッテリー、秀吉と黒田官兵衛
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 野球はバッテリーで勝負の七割が決まるというが、秀吉も官兵衛とのバッテリーで天下を取った。
 秀吉の軍師、黒田官兵衛はその天才的な知力と決断力で秀吉の天下取りに大きく貢献した。
 その官兵衛が軍師として最大の知力を発揮したのが、天正十年六月の備中高松城攻めの時であった。「信長死す」の急報が届いた時、さすがの秀吉も茫然とした。官兵衛はすかさず秀吉の耳元で「天下を手中に治める好機到来です」とささやき、冷静にあだ討ちの名目で天下取りへの道を説いたという。
 その後、秀吉の天下取りへの過程で、秀吉の考えと官兵衛の決断は決して食い違うことはなかった。それはまるで野球でたとえるとバッテリー間の信頼のようであったに違いない。
 不況な今の世もバッテリーを組んで物事に対処することによって名案も浮かんでくるのではないだろうか。
【文:高田 金道】