戦国新報
 
 
平成7年 後期
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他人の失敗を進んでやった秀吉
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 秀吉が農家のせがれから大名にまで登りつめ、天下を取るまでの過程は多数のピンチの連続があった。秀吉のすばらしいところは、そのピンチを苦痛とも思わないで逆にそれをバネにして成功を成し遂げたというところにある。
 人は予期せぬピンチに直面した時、一刻も早くこの苦痛から逃れたいと願います。ピンチには確かに苦痛が伴いますが、この苦痛を退けることにばかり眼がいっては次第に忍耐力が失われてきます。ピンチに対抗する考え方は、このピンチを克服することによって自分が成長するんだという気構えで望むことです。「ピンチの後にはチャンスあり」と言うように、苦しみが多ければ多いほど成長できるのだと考えることにあるようです。
 家柄とか格式のない農家のせがれが天下を取ったという過程には、こうしたピンチに対するがむしゃらな闘争精神があったからだと思われます。
 今の世も、ピンチの後には一まわり大きくなった自分がいると思い、困難に立ち向かおうとする気持ちが大切なことであるが、現実はなかなかうまくいかないようである。
【文:高田 金道】