戦国新報
 
 
平成7年 後期
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すぐわかりましたという部下に
わかったためしはない
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 秀吉は『人の話や意見を聞いて、すぐ、ごもっともそのとおりですという部下に限って本当にわかったためしがない。本当に人の意見を真剣に聞く者は、自分で納得のいかない話には、何度でも質問するものだ。なぜそうなるのですかとか、それをするとこういう結果になるのではないですかと、自分の意見をぐいぐい押し込んでくるものだ。わからないところがっても、こんなことを聞いては相手が気を悪くするのではないかなどと考えるのは、本気で人の意見を聞こうとしない証拠だ』と常々部下達に語っていた。
 秀吉は信長に仕えていた時、信長に『サル、くどいぞ』と言われるくらい真剣に意見を聞いた。だから自分の言葉に対してすぐにわかりましたと言う部下は、信用がおけないということであるが、なかなか厳しい秀吉の人間観である。
【文:高田 金道】