戦国新報
 
 
平成6年 後期
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国家の宝は人によるほかにはなし
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 優秀で忠実な家臣に恵まれれば家は強固なものになると、人材の大切さを力説したのは徳川家康である。
 だが、家康はわりと家柄、格式を考えて人材を登用したが、織田信長の場合は違った。特に家柄にはこだわらず、積極的に才能ある者を抜粋した。その代表が豊臣秀吉である。一介の草履取りだった秀吉が、もしも信長に仕えていなかったら、出世のチャンスは皆無に等しかっただろう。信長の格式にとらわれない能力主義があったからこそ、秀吉は出世コースを登って行くことができたのである。
 もし、秀吉が他の武将に仕われていたならば、はたして天下を取ることができただろうか。
【文:高田 金道】