平成4年
後期
今、世間を騒がせている「買収事件」
その昔、家康も「買収」で天下を取った
関ケ原の戦いは、戦前の予想では豊臣方が圧倒的に優位と思われていた。事実戦力だけの比較だと、徳川方にはたよりない面があった。それにもかかわらず、徳川方が大勝利を収めた。その裏には徳川方の巧みな謀略戦があったのである。
それは、豊臣方の最大戦力だった薩摩の島津義久の「買収」である。そして「買収」しただけではなく豊臣方の最前線から逃亡するよう計略したのである。豊臣方とすれば、一番頼りになると思われていた武将が逃亡したのだから、衝撃は大きかったし、戦意も急激に低下したのである。家康は不利と言われていた戦いを「買収」によって、心理的に優位に立ち、天下を取ったのである。
【文：高田 金道】
