戦国新報
 
 

平成27年 前期
【 H27.3.1】

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打たれ強さ

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 「打たれ強い」人間にならなければ…。いろいろな「仕打ち」を体験する事によって人は成長するという人もいるが…。

 戦国の世、信長を裏切った荒木村重。村重を説得するために官兵衛が使者として単身乗り込んだ。送った官兵衛が帰らず、寝返ったと見た信長は、人質として預かっている官兵衛の息子を殺すように命じた。

 その一年後、村重は信長に敗れ、官兵衛は牢屋から救出された。信長や秀吉は官兵衛の息子を殺した事を後悔するが、息子は竹中半兵衛によって生き延びていた。官兵衛は自分が裏切りの扱いをされていたことに「なんという仕打ち」と嘆いた。その時の体験が秀吉の軍師としての官兵衛の名を歴史に残した。

 いつの世も、会社は社員の家族の団欒の場所ではないし、仲良しクラブでもない。官兵衛ではないけど、状況によっては「仕打ち」を体験するのもいい経験だと思うが、なかなかむずかしい。(平成二十七年三月一日)


【文:高田 金道】