何事も自信がつくと、自分を評価し過ぎて人の話に耳を傾けようとしない人、また、自信があっても自分にはまだ至らぬことが多いと今以上に学ぼうとする人…。世の中いろいろ。
戦国の世、つまらぬ自信を鼻にかけ自慢して威張る人もいるが、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ということわざがあるように、常に謙虚で数多く人から学ぼうとする「心がけ」が最も大事だと秀吉は部下達に言った。自分は貧しい農家に生まれ各地を放浪して歩き、ついには織田家に就職して、そして知識も教養も気性の激しい信長から最も多く学ぶ事ができたし、与えられた仕事は期待に応えるよう努力した。そして学び続けて蓄えた知識や教養が、自分を天下人に育て上げたとも秀吉は言った。
いつの世も、学ぶということは学校だけではないと思う。むしろ学ぶ気さえあれば、より厳しい職場こそ知識や教養を身に付ける最高の場所ではないかと思うが、なかなかむずかしい。(平成二十五年三月二十四日)