戦国新報
 
 

平成24年 前期
【 H24.4.8】

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気配りの達人

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 仕事を頼まれたらまずその目的を考えることが先決。たとえばお茶ひとつ出すにしても同じことが考えられる。暑い日だったら冷たいお茶を出す。さっきコーヒーを出したので今度はお茶を出すなど、相手の気持ちになって考えることで、お客様に良い対応ができると思うが…。

 戦国の世、秀吉が信長から長浜城主に抜擢された頃の話しである。ある夏の暑い日、領内をかけめぐり咽が渇いた秀吉は近くのお寺に立ち寄りお茶をいただいた。その時の接待に出てきた小坊主のお茶の出し方を偉く気に入り、「相手の立場にたった気配りのできる小坊主だ」と自分の側近にしてしまった。

 「三献のお茶」で有名な後の石田三成である。

 いつの世も、たかがお茶くみとたかをくくっているようでは仕事はうまくいかないと思う。

 「小事は大事」ということわざもあるように、仕事は小事の集まりであり、相手の身になって仕事をすることは「気配りの達人」だと思うがなかなかむずかしい。


【文:高田 金道】