戦国新報
 
 

平成22年 前期
【 H22.5.9】

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義元、信長を見下す
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作戦を考える時、自分の能力を過大評価する人。自分の能力には限界があると思う人。
 戦国の世、自信過剰の義元、三万の大軍であまり整備のされていない東海道を長者の列で京を目指して、織田領内に入り込んできた。その時信長、二千五百の兵で十倍以上の敵を破るにはどうするのか…。
 義元は尾張のうつけ者と信長を見下し、勝った気分である。今の時代のゴールデンウィークのピクニックの気分である。信長は義元の軍が長者の列を作るとどれくらいの距離になるのかを想像し、桶狭間で休憩する義元の本陣の兵を大体四百と読み、わずか二千の兵で奇襲攻撃を仕掛けついには勝利した。勝てる戦もおごりと油断から敗れる。
 いつの世も、「戦に勝つのは兵の強さであり、戦に負けるのは大将の弱さ」という人もいるが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】