人生の中で、勝負する機会は何回もあると思うが、負けるよりは勝つ方が良いに決まっている。だが、「負けるが勝ち」ということわざもあるように、時と場合によっては勝った時の教訓よりも負けを学ぶ教訓の方がはるかに大きい場合もあるような気がする。
戦国の世、家康は、幼い頃から人質生活が長く、波乱の人生経験から人生は戦いだと言っている。
勝ちばかりだとかえって危ないと部下達をいましめている。そして信長の生き方、秀吉の生き方をよく学び、「戦での勝ちは五分をもって上とし、七分をもって中とし、十分をもって下とする」と部下達に教え、二百七十年の基礎を築いた。
いつの世も勝ち続けると自分が強いと思い込み、いい気になっておごりが出てくる。時と場合によっては、負けることによって、悪い点を多いに反省し、また「何くそ」という意地が今以上にわいてくると思うが、なかなかむずかしいことだ。
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