戦国新報
 
 
平成16年 後期
【 H16.9.26】
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「うぬぼれ」と「えふりこき」
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 自分の能力に自信を持つことは大事だ。しかし自信があるからといって「うぬぼれ」や「自慢」に変わると、周りが嫌気をさして離れていくような気がする。
 戦国の世、光秀と秀吉は織田家の中で自由な発想と柔軟な考え方で大いに貢献した。しかし、二人の考え方、生き方はかなり違っていた。光秀は自分の能力に自信があるからプライドが高く、周りの武将達にもあまりあいさつもしない。「織田家は俺がいないとダメだ。信長様も俺の能力に感謝している」とうぬぼれた考え方を持っていた。
 一方の秀吉は、光秀とはまったく対照的に、各武将達には常に三歩下がってきっちりあいさつをした。「俺は信長様あっての自分だ。織田家のために一所懸命がんばらなくちゃダメだ。今こうして自分が仕事ができるのも、織田家あってのものだ」と常に謙虚に物事を考え織田家のためにつくした。
 結果は「えふりこき」の光秀は天下取りを目指したが、秀吉に破れた。秀吉は徹底したサービス精神で、やがては天下を取った。
 いつの世も「うぬぼれ」や「えふりこき」はあまりよくないと思う。常に謙虚な気持ちを忘れることなく、いつも感謝の心で努める事が大事なような気がするが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】