戦国新報
 
 
平成16年 後期
【 H16.9.19】
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 ある商社の営業マンが我社に立ち寄った。「誰のために営業しているのか」と聞いたところ、「会社のために」と答えた。ごくあたりまえのことだが…。また「売り上げは伸びていますか」と聞いたところ、「不況だからなかなか大変だ」と笑いながら答えて帰った。
 その三日後、また違う商社の営業マンが尋ねてきた。同じ質問をしてみると「自分の食いぶちは自分で働いてかせがないと」と笑いながら言って「会社と話し合って安くしますからなんとか買ってもらえないでしょうか」と笑顔で「積極的」に話しかけてきた。
 同じ営業マンでも良い悪いは別にしても、人によってかなり違うものだと思った。
 戦国の世、秀吉は農民出身というハンディを背負いながら、織田家のために励んだ。仕事に対しては、やるべきことは必ずやりとおすことが、自分の「義務」だと思い、強い意志で仕事に励んだ。それが自分のためにもなり、織田家のためでもあると考えた。その結果、信長が本能寺で光秀に倒された後、すぐに織田家のトップになり、天下への足がかりを作ることができた。 
 いつの世も、自分の仕事のなんたるかを良く知ることが大事だ。目標をはっきりと持って、自信を持って、気配りを忘れず、会社のために自分のために励むことによって、必ず良い方向に進むような気がするが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】